公開日 1929年4月19日 モノクロ/サイレント 84分
監督・内田吐夢 脚本・小林正
キャスト
瀬木大助 – 小杉勇
組川弘子 – 入江たか子
梨枝子 – 築地浪子
繁本社長 – 三桝豊
青原代議士 – 高木永二
鈴木三右衛門 大崎史郎 谷幹一 竹村鉄二 村田宏寿 榊田敬二 西沢武男 東勇路 土井平太郎 瀬良章太郎 津島ルイ子
スタッフ
原作 – 片岡鉄兵
撮影 – 松沢又男
装置 – 永野芳光
配光 – 上田国松
字幕 – 阪本春穂
製作 日活(日活太奏撮影所)
作品情報
新感覚派の作家、片岡鉄平の小説の映画化。当時の文壇では白樺派の人道主義から代わってプロレタリア文学が生まれていた。新しい時代の流れで誕生したプロレタリア文学は、映画界にも影響を与えた。監督の内田吐夢は、1920年に設立された大正活映に入社し、トーマス・栗原監督の助手として映画界に足を踏み入れました。2年後には牧野教育映画で『噫小西巡査』を衣笠貞之助と共同監督し、監督デビューを果たしますが、その後は旅役者として放浪生活を送り、この経験が彼の作風に影響を与えることとなりました。1926年に日活京都大将軍撮影所に入社した彼は、1929年に『生ける人形』を監督します。以降も内田吐夢は左翼思想を取り入れた「傾向映画」の一連の作品で高い評価を受けました。
あらすじ
田舎出身の野心的な瀬木大助は、上京し、青木代議士の紹介で繁本興信所に就職する。しかし、すぐに青木代議士の恩を忘れ、玉屋銀行の乗っ取り計画を繁本社長に提案する。同時に、瀬木は社長秘書の細川弘子にアプローチするも、彼女には友達以上の興味を持たれなかったため、彼の注意は幼馴染の未亡人理枝子へと移る。彼は理枝子との関係を迫った結果、同棲することになるが、経済的困難から短期間で関係は終わる。そして、彼の玉屋銀行の乗っ取り計画も、繁本社長に裏切られて失敗する。
※傾向映画とは
1929年(昭和4年)から1931年(昭和6年)にかけて、当時の経済恐慌や社会文化状況を反映して、階級社会の暴露や闘争を描いた作品が映画企業から多く製作された。これらを「傾向映画」と呼びます。