公開日 1928年5月12日 モノクロ/サイレント
監督・牛原虚彦 脚本・北村小松
キャスト
青木賢一 – 鈴木伝明
とき子 – 八雲恵美子
和田森先生 – 水島亮太郎
代理の課長 – 斎藤達雄
他出演者 – 坂本武 小林十九二
スタッフ
原作 – 北村小松
撮影 – 水谷文次郎
製作 松竹蒲田撮影所
配給 松竹キネマ
作品情報
『彼と東京』は『彼と田園』『彼と人生』による三部作の第一編で、従来の日本映画とは異なる近代的で都会的なセンスを持ち、青春の喜びと悲しみ、東京の社会の厳しさを明るい笑いとペーソスで表現した“松竹映画”のお手本とも評されています。1928年度のキネマ旬報ベストテン日本映画部門にて5位に入賞。監督の牛原虚彦は初期の松竹蒲田撮影所で明るい青春映画を多く制作し活躍しました。1920年に新設された松竹キネマ研究所で、その第1回作品『路上の霊魂』の脚本を手掛けたことでも有名です。『彼と東京』はフィルムが紛失しており鑑賞は不可能となっています。
あらすじ
東京のアパートに住む新卒の青木賢一は、卒業祝いで恩師から懐中時計をもらい、その夜、車に拉致される女性を助ける。帰宅すると、母が嫁候補のとき子を連れて訪れており、青木は就職活動に奮闘する。ある会社で課長から拒否されるも、昨夜助けた女性がそこのタイピストであり、結果的にその会社に就職。青木ととき子は結婚し、一軒家を借りる。しかし、青木はタイピストのくに子と仲良くなり、夫婦間や職場でのトラブルが生じる。結局、青木夫婦は都会の騒動に疲れ、故郷に帰る。(第二部『彼と田園』へ続く)