路上の霊魂

 

公開日 1921年4月8日   モノクロ/サイレント

 

 

監督・村田実 脚本・牛原虚彦

 

 

キャスト

 

杉野泰  –  小山内薫

息子・浩一郎  –  東郷是也

妻・耀子  –  沢村春子

娘・文子  –  久松三岐子

浩一郎の許婚・光子  –  伊達竜子

樵夫の少年太郎  –  村田実

樵夫一  –  杉沢長十

樵夫二  –  由利純

女中一  –  山路百合香

女中二  –  松島衣子

女中三  –  中村よし子

出獄者・鶴吉  –  南光明

出獄者・亀三  –  蔦村繁

別荘の令嬢  –  英百合子

別荘の執事  –  茂原熊彦

別荘番の老爺  –  岡田宗太郎

八木節の姉  –  東栄子

八木節の弟  –  小松竹雄

クリスマスの客  –  春野恵美奈

 

スタッフ

 

原作  –  「街の子」 ウイルヘルム・シュミット=ボン 森鴎外 訳 「夜の宿」 マクシム・ゴーリキー 小山内薫 訳

撮影  –  水谷文次郎

撮影助手  –  小田浜太郎

室内設計  –  溝口三郎

光線  –  島津保次郎

衣裳  –  山下篤

 

製作 松竹キネマ研究所

配給 松竹キネマ合名社

 

作品情報

 

ヴィルヘルム・シュミットボンの『街の子』とマクシム・ゴーリキーの『夜の宿(どん底)』を原作とした作品。演劇の興行で名を馳せていた松竹合名会社は東京・蒲田に撮影所を建設(1920年)。さらに、日本の舞台演劇からの脱却を目指して、大正活映と同様に、映画専門の俳優養成所を創設、松竹キネマ研究所第一回作品として完成させた。脚本家として牛原虚彦が執筆を担当し、さらに茂原熊彦名義での出演も果たしています。松竹キネマ研究所の小山内薫が製作総指揮として関わりながら、自身も映画内での役を演じています。島津保次郎が照明を担当。1920年の冬、軽井沢でのロケを皮切りに撮影が開始されましたが、小山内の急病などで撮影は一時中断された。この作品は、従来の歌舞伎・新派などの影響下にある日本映画のスタイルから一線を画すものであり、後の映画界に影響を与えました。

 

あらすじ

 

浩一郎はかつてヴァイオリニストとしての夢を追い求めて東京で活動していたが、一つの事件をきっかけに音楽界から追放される。夢を失った彼は、妻と娘と共に故郷に戻る決意をする。途中、出獄した二人組との出会いがあり、彼らの小さな優しさを受け取る。だが、故郷では彼の期待とは裏腹に、家族からの理解や受け入れは得られなかった。冬の厳しい夜、納屋で家族と過ごす浩一郎。一方、出獄した二人組はある別荘に忍び込むが、結果としてその場所で温かな時間を過ごすことに。翌朝、浩一郎と娘に悲劇が訪れる。

 

※村田実(1894-1937)

 

大正から昭和初期に活躍した映画監督、脚本家、俳優で、日本映画監督協会の初代理事長。帰山教正の映画に出演し、松竹キネマ俳優学校で学んだ後、蒲田撮影所で『奉仕の薔薇』や『光に立つ女』を手掛けました。小山内薫が設立した松竹キネマ研究所で、『路上の霊魂』の監督・出演を務め、その作品は村田の映画製作における重要な足跡となります。1923年には日活向島撮影所に参加。関東大震災後、京都の大将軍撮影所に移り、『街の手品師』(1925)で日本映画として初の「朝日新聞最優秀映画」を受賞しました。