公開日 1929年5月31日 モノクロ/サイレント
監督・溝口健二 脚本・木村千疋男 畑本秋一
キャスト
道代(後に折枝) – 夏川静江
藤本良樹 – 一木札二
その父(富豪) – 高木永二
佐久間雄吉 – 小杉勇
早百合 – 入江たか子
その妹なつ子 – 佐久間妙子
澄江(後にるり子) – 滝花久子
ピアニスト山野 – 神田俊二
劇作家島津健 – 南部章三
洋画家松並信男 – 谷幹一
その弟敏男 – 見明凡太郎
子爵工藤三郎 – 金平軍之助
外交官安田 – 伊藤隆也
– 島耕二 笹井末三郎
スタッフ
原作 – 菊池寛
撮影 – 松沢又男 横田達之
製作 日活太秦撮影所
配給 日活
作品情報
1920年に日活向島撮影所に入社した溝口健二は、1923年に『愛に甦る日』で監督デビューを果たしました。しかし、その年の9月に関東大震災が発生し、溝口の自宅は焼失しました。向島撮影所に避難したものの、撮影所は閉鎖され、溝口は京都の大将軍撮影所に移動しました。その後、様々なジャンルの映画を撮影した後、太秦(うずまさ)の新撮影所に移転し、1929年に『東京行進曲』を監督しました。
映画は原作完結前に制作されたため、ラストシーンはオリジナルでした。また、脚本を担当予定だった畑本秋一が病気で降板し、主役の夏川静江も病気になるなどのトラブルに見舞われ、撮影が遅れました。本来はトーキーとして上映予定でしたが、サイレント映画として公開されました。内容は、階級的対立をテーマとしており、傾向映画の影響があります。主題歌『東京行進曲(作詞・西條八十 作曲・中山晋平 唄・佐藤千夜子)』は、日本の映画主題歌としては初めての成功例とされています。
あらすじ
道代は両親を失い、叔父と暮らすが、彼の厳しい状況から芸妓としての生活に導かれる。彼女の母もかつて芸者で、男性を信用しないよう警告して道代に指輪を託した。富豪の息子、良樹と道代はテニスボールを拾うシーンで運命的に出会う。良樹は後に彼女を探し、芸者としての道代、折枝と再会。良樹と彼の友人、佐久間の間で結婚をめぐる複雑な関係が生まれるが、折枝が良樹の腹違いの妹であることが判明。二人は結ばれない運命となり、折枝は佐久間と結婚。良樹はイギリスへと旅立ち、二人の新生活を温かく見守る。