公開日 1931年8月1日 モノクロ/有声
監督・五所平之助 脚本・北村小松
キャスト
劇作家・芝野新作 – 渡辺篤
その女房 – 田中絹代
娘テル子 – 市村美津子
隣のマダム – 伊達里子
画家 – 横尾泥海男
新作の友人 – 吉谷久雄
〃 – 月田一郎
見知らぬ男 – 日守新一
音楽家 – 小林十九二
〃 – 関時男
運転手 – 坂本武
隣の少女 – 井上雪子
スタッフ
総指揮 – 城戸四郎
助監督 – 富岡敦夫 蛭川伊勢夫
ギャグマン – 伏見晁
原作 – 北村小松
撮影 – 水谷至広 星野斉 山田吉男
主題歌 – 『スピード時代』
作詞 – サトウ・ハチロー
作曲 – 高階哲夫
『スピードホイ』
作詞 – サトウ・ハチロー
作曲 – 島田晴誉
出演バンド – 帝国ジャズバンド 宮田ハーモニカバンド
美術意匠 – 脇田世根一
舞台装置 – 西玄三 滝沢藤三郎
舞台装飾 – 川崎作太郎 三島信太郎
音響記録 – 土橋武夫 土橋晴夫
音響助手 – 松本辰吉 吉田百人
ミキサー – 狩谷太郎
照明装置 – 水上周明
プロダクション・マネージャー – 高橋基
現像操作 – 増谷麟 納所歳巳
製作 松竹蒲田撮影所
配給 松竹キネマ
作品情報
日本初の全編トーキー映画『マダムと女房』は、松竹座の楽士だった土橋武夫と春夫兄弟がアメリカのトーキー映画に触発されて独自に開発した土橋式トーキーを用いて1931年(昭和6年)に製作されました。監督の五所平之助は1923年(大正12年)に松竹蒲田撮影所に入社し、島津保次郎の下で助監督を務めた後、1925年に『南島の春』で監督デビューし、小市民の生活をユーモアと叙情性で描いた作品を発表し続けました。これらの作風が集約された『マダムと女房』は、1931年度のキネマ旬報ベストテンで第1位に輝くなど高く評価され、日本におけるトーキー映画製作の活性化に大きく寄与しました。
あらすじ
郊外の静かな住宅地に引っ越してきた劇作家の芝野新作は、集中して執筆するための環境を求めていたが、隣家のジャズ音楽や日常の騒音に悩まされ、作業はなかなか進まない。隣家でのパーティの騒音に耐えかねて怒鳴り込むと、そこでかつて出会ったモダンなマダムに再会し、彼女の美しさに心を奪われ、一時の楽しみにふける。帰宅した新作は、『ブロードウェイ・メロディ』を口ずさみながら上機嫌だが、妻の絹代は彼の行動に嫉妬していた。