公開日 1948年5月26日 モノクロ/トーキー
監督・溝口健二 脚本・依田義賢
キャスト
大和田房子 – 田中絹代
君島夏子 – 高杉早苗
大和田久美子 – 角田富江
栗山謙造 – 永田光男
病院長 – 村田宏寿
ポン引きのおばさん – 浦辺粂子
房子の義兄・大和田康二 – 富本民平
房子の義母・徳子 – 大林梅子
古着屋の女将 – 毛利菊江
不良学生・川北清 – 青山宏
純血協会の婦人 – 槇芙佐子
婦人ホームの院長 – 玉島愛造
平田修一 – 田中謙三
刑事甲 – 加藤貫一
刑事乙 – 加藤秀夫
アパートのおばさん – 岡田和子
闇の女・安子 – 西川寿美
闇の女・和子 – 林喜美子
闇の女・竹子 – 滝川美津枝
不良少女 – 忍美代子
スタッフ
企画 – 絲屋寿雄
助監督 – 酒井辰雄 岡田光雄
原作 – 久板栄二郎 『女性祭』
撮影 – 杉山公平
撮影助手 – 太田真一 荒井満次郎
音楽 – 大沢寿人
演奏 – 中沢寿士とM・S・C楽団
美術 – 水谷浩
装置 – 松野喜代春
装飾 – 山口末吉
録音 – 高橋太郎
照明 – 田中憲次
編集記録 – 坂根田鶴子
衣裳 – 中村ツマ
床山 – 井上カミ
結髪 – 木村よし子
普通写真 – 三浦専蔵
移動 – 吉田六吉
演技事務 – 藤井キヨ
製作進行 – 桐山正男
製作担当 – 清水満志雄
製作 松竹京都撮影所
配給 松竹
作品情報
敗戦後の大阪を舞台に、売春婦(パンパン)となった女性たちの厳しい現実を描く。久板栄二郎の原作『女性祭』を基に依田義賢が脚色しました。田中絹代や高杉早苗などの出演者が、戦争で夫を失い絶望的な境遇に追い込まれた女性たちの深い苦悩を表現しています。特に田中絹代は、戦争未亡人という主要な役柄を熱演し、敗戦後の荒廃した大阪の街と、そこで生きる女性たちの悲しい運命を映し出しています。
本作は、監督の溝口健二によって、戦後の混乱期を生きる女性たちの姿を通じて、敗戦がもたらした日本社会の暗部を浮き彫りにすると同時に、その時代の女性の強さと脆さを描き出しています。
あらすじ
敗戦後の大阪西成。大和田房子は、夫が戦地から帰らず、結核に冒された幼い子どもを抱え、困窮した生活を送る。彼女は夫の実家で姑や義弟、義妹と共に暮らしながら、手元の着物を売り払い生計を立てている。やがて、夫が戦地の収容所で病死したことと、子どもの急死を知り、絶望する。彼女は生活を支えるために最後の手段として売春婦(パンパン)になるが…
※田中絹代(1909-1977)
大正から昭和にかけて日本映画界を代表する女優の一人として輝きを放ちました。彼女のキャリアはサイレント映画の黎明期から始まり、昭和初期のトーキー映画、戦後の映画隆盛期に至るまで、常に銀幕の中心にいたことで知られています。14歳で松竹に入社し、清純派スターとして人気を博しましたが、戦後は演技派としての地位を確立し、『サンダカン八番娼館 望郷』での演技によりベルリン国際映画祭の銀熊賞を受賞するなど、彼女の演技力は国際的にも認められました。
彼女の映画人生は多くの名匠たちとの共演によって色彩を添えられています。溝口健二、小津安二郎、成瀬巳喜男、木下惠介など、時代を代表する監督たちとの仕事を通して、田中絹代はアイドル的な存在から押しも押されぬ大女優へと成長しました。